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オグラコウホネ(巨椋河骨) [水生生物]

 浮ふ葉ようの間から可憐な花が咲くスイレン科に属する日本固有の水生植物で、和名は京都南部の巨椋(おぐら)池に由来し、植物学者の三木茂博士が巨椋池で採集し命名したことでこの名前がつけられました。
国内では愛知県、近畿地方、四国、九州に限られ、主に初夏に黄色い花を咲かせます。
分布がため池や河川、水路など限られた場所にしかなく、河川改修や水質の悪化、観賞用の採集により減少しています。環境省のレッドデータブックにも掲載されている絶滅危惧種です。
やや堅く太い白色の根茎が地中を横走し、分枝した根茎の頂部から水中葉と浮葉を根生します。
根茎はふつうコウホネより細く、ヒメコウホネよりも太いですが、生長段階や栄養条件によって太さにはかなり幅があります。
葉柄は細長く、径3~5mm、長さは水深によっては1mを超えることがあります。断面は3角形状で、中心部は中空と鳴ります。
コウホネの仲間は3種類の葉があり、水中葉は葉身が薄い膜質で波打ちます。浮葉は水面に浮かぶ肉厚の葉で水上葉は長い葉よう柄へいに支えられて水面から抜き出ます。オグラコウホネの場合、水上葉はほとんど見られません。萼がく片は黄色で通常は5枚、時には8枚ほどになることがあります。花弁は萼片と比べると小型で多数、雄しべも多数で花糸は幅が広く葯やくは内向します。雌しべは多数の心しん皮ぴからなり、上部に柱頭板を作ります。花の寿命は1週間程度になります。
この花の特徴は葉柄が中空(穴があいている)であることで、葉柄の切断面を見なければ分かりませんが。

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撮影:2020年9月16日 京都府立植物園にて

名称:オグラコウホネ(巨椋河骨)
科:スイレン科 コウホネ属
園芸分類:水生植物
形態:多年草
原産地(分布):本州(中部地方以西)~九州 
品種名:
草丈/樹高:
開花期:7~10月
花色:黄色
その他:生育環境:貧栄養~中栄養な溜池、河川、水路など。


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