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ヤツデ(八手、八つ手) [花木]

ヤツデは代表的な陰樹で、午前中2時間程度しか日が当たらない日陰でも生育します。地際から数本の茎を伸ばし、葉は深い切れ込みがある大きな掌状葉で、光沢があり、その形はまるで天狗の羽うちわのようです。葉には長さ30~40cmの葉柄があります。11月から12月にかけて、枝先に白い放射状の丸い花序が集まった複合花序を出し、円錐状に咲く白い花は、花が少なくなる冬の庭にあって、ひときわ目立ちます。その後、実った果実は翌年5月に黒く成熟します。
 ヤツデは同じ花の受紛を避けるため、特別の仕組みを持っている植物として有名です。花は両性化(一つの花に雄シベと雌シベがある)ですが、普通の両性化(雄シベと雌シベが同時に熟し受粉)とは違うのです。ヤツデの花は開いたとき、花弁と雄シベが成熟して花粉がでますが、このとき雌シベは未熟のため昆虫がきて花粉を集めても受紛しません(雄性期)。中性期(無性期)の数日を経て、花弁と雄シベが落ちたのち、雌シベが成熟し(雌性期)他の花の花粉を付着した昆虫から花粉を受け取り受粉するのです。実に巧妙に雄シベと雌シベの成熟時期をずらして近親結婚を避けているのです。一見雄花と雌花が別々についているように見えますが、実は両性花なのです。植物の不思議さを感じますね。

そう、「八つ手」とはいうものの、ヤツデの葉は8つに裂けずに7つか9つに裂けることが多く、稀に5つ、あるいは11裂となるとのこと。いずれも奇数で偶数になることは無いようです。では何で、八つ手という名前なのかというと、8が「八」で末広がりで縁起がいいのでこの名前になったとか、あるいは単に「たくさん」の意味でヤツデとなったとも言われています。

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撮影:2019年11月23日 京都府立植物園にて

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撮影:2019年12月4日 京都府立植物園にて

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撮影:2019年2月3日 京都市伏見区にて

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撮影:2020年10月29日 京都府立植物園にて

○「八つ手」とはいうものの、ヤツデの葉は8つに裂けずに7つか9つに裂けることが多くとありましたが、8つに裂けているものを発見
わが家のヤツデ-2(20221211).jpg
撮影:2022年12月11日

名称:ヤツデ(八手、八つ手) 
科:ウコギ科 ヤツデ属
園芸分類:庭木・花木
形態:常緑性低木
原産地(分布):本州(福島県以南)、四国、九州、沖縄
品種名:
草丈/樹高:2~3m
開花期:11月~12月
花色:白色
その他:



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