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オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢) [山野草]

春の路傍や畑地を彩るオオイヌノフグリ。秋に芽を出して他の植物が繁茂しない冬に横に広がって育ち、早春に多数の花をつけ、春の終わりには枯れてしまいます。夏の間は種子で過ごし、寒さに耐えるため、細胞内の糖濃度を高める機能を持ち、葉と茎に生える短い毛で雪と霜を遠ざけて保温します。
花弁は4枚。ただし、それぞれ大きさが少し異なるので、花は左右対称です。色はコバルトブルーですが、まれに白い花をつけることがあるようです。 花は太陽の光によって開閉し、1日で落花しますが、2日めにもう一度開くものもあるとのこと。
花の中心にある蜜でハチ、ハナアブ、チョウなどの虫を誘う虫媒花です。子孫を残す上でオオイヌノフグリが決定的に有利な点は、虫による他花受粉だけでなく、自花受粉も行うことです。夕方になると開いていた2本のおしべが閉じてめしべに花粉を付けます。イヌノフグリの場合は、めしべがおしべより長いので、他花受粉しかしないようです。
イヌノフグリの花期が3~4月なのに対して、オオイヌノフグリはもっと長い間咲きます。場所によっては1月に咲いていることさえあります。虫がいなくても平気だからとも言われています。
また、イヌノフグリの花の径が3mmほどしかないのに対し、オオイヌノフグリの場合は約8mmあってよく目立ちます。蜜はめしべの根元から出ています。草丈もオオイヌノフグリのほうが大きいので、もし同じところに生えていたら、虫はオオイヌノフグリの方に吸い寄せられてしまうため、その勢力図に大きく影響します。
草丈10~20cm。葉は1~2cmの卵円形で、鋸歯があります。

日本に入ったのは明治初年と推定され、1884年あるいは1887年に東京で見られてから急速に拡大し、1919年には全国的にありふれた草になったようです。

 問題はその名前。「ふぐり」とは漢字で書けば「陰嚢」、つまりこの花の名前は「大犬の金○○」という意味になります。可憐な花に上品とは言いがたい名前です。この名前は果実の形が由来となります。
オオイヌノフグリとは「大犬の”ふぐり”」ではなくて「大”イヌノフグリ”」なのです。この草が明治の初期にヨーロッパから渡来したとき、すでに日本にはそれに似て小型の「イヌノフグリ」があったので、「オオイヌノフグリ」と名付けられました。

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撮影:2021年2月14日 京都市伏見区にて

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撮影:2021年2月21日 京都市伏見区にて

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撮影:2021年4月12日 京都市伏見区にて

名称:オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
科:オオバコ科 クワガタソウ属
園芸分類:野に咲く花
形態:越年草
原産地(分布):ヨーロッパ原産
品種名:
草丈/樹高:10~20cm
開花期:1~4月
花色:コバルトブルー
その他:


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