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タンポポ(蒲公英) [山野草]

タンポポは、キク科タンポポ属の草花の総称で、主に3~4月にかけて、黄色い花を咲かせる野草です。春の野草といえば、このタンポポを思い浮かべる方も多いかもですね。最も、セイヨウタンポポは一年中花を咲かせることができるので、春以外の季節でも花を見ることができます。
毎年花を咲かせる多年草で、生命力が強く、根が残っていれば茎を刈られてもまた伸びてきます。タンポポは根が長く、50cm以上まで深く伸ばすこともあるので、根絶しにくいちょっと厄介な雑草でもあります。

タンポポの花といえば、茎の先に咲く丸い花が思い浮かびます。これは花の集合体で、1枚1枚の花弁のように見えている小さな花が集まった、花の塊(頭状花)です。小さな花が集まって、一つの大きな花のように見せることで、より昆虫の目を引くようにしているとのことです。

タンポポの花が咲く期間は約3日。花は朝につぼみを開き、夕方には閉じています。初めは太陽の光が差し込み、15~25℃ほどの温度がある状態で咲き始めますが、2日目以降は太陽の光だけでも咲いたり、3日目になるとどちらもなくても花が開くこともあり、まだ花の動きについてはよく分かっていないことも多いようです。

タンポポの綿毛の部分は冠毛と呼ばれます。風に乗って飛ばされやすいよう、羽に似た形をしていて、雨の日になると濡れないように閉じてしまいますが、晴れるとまた元通りになって飛んでいきます。冠毛を一つ取って見てみると、綿毛の下にタネのようなものがついています。これはタンポポの果実(痩果)で、この中にタネが入っています。

名前の由来は、白い綿毛が丸く集まった様子が、綿などを丸めて布で包んだ「たんぽ」に似ていることから、「たんぽ穂」となったというもの。
田んぼの道に生えていることが多かったことから「田菜」と呼ばれていたものが、徐々に「たん」という音に変わり、綿毛がほほける(ほつれる)という特徴から「ほほ」と組み合わさって、「たんぽぽ」になったという説もあります。ほかに、タンポポの異名の一つである「鼓草(つつみぐさ)」から、鼓をたたいた音が「タンタン、ポンポン」であることから、タンポポという名前の由来になったという説など諸説があるようです。
また、タンポポは漢字では蒲公英と書きます。これは中国から伝わった言葉で、開花前に収穫したタンポポを乾燥させた漢方を「蒲公英(ほこうえい)」と呼ぶことから、この漢字を使うようになったと考えられています。
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撮影:2020年4月26日 京都市伏見区にて

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撮影:2020年4月21日 京都市伏見区にて


日本における在来種と外来種
日本でよく知られるタンポポには、古来から自生していた在来種(日本タンポポ)と、明治以降に外国から持ち込まれた帰化種(西洋タンポポ)があります。

◇見分け方の大きなポイントは、
二ホンタンポポ :総苞片が閉じている
セイヨウタンポポ:総苞片が反り返っている
ではないでしょうか。
タンポポ-23比較図.jpg


◇二ホンタンポポとセイヨウタンポポの特徴比較表
タンポポ-24比較表.jpg

ここで注目してほしいのが、一番下の「環境適応力」です。
繁殖方法の違いとは、セイヨウタンポポは、自分だけで種(クローン)を作り出して増えることができるので、受粉は不要です。それに対してニホンタンポポは、自分以外の株の花粉を受粉する必要(他家受粉)があるため、種子を作るにはハチなどの昆虫の手助けが必要な点です。
つまり、これまでご紹介したセイヨウタンポポの繁殖能力の強さから、圧倒的にセイヨウタンポポの方が環境適応力が強いように思われれしまうかもしれませんが、逆とのことです。
その理由は、セイヨウタンポポが分布を広げたり数を増やすことに長けているのは事実ですが、クローンでしか増えないという事は、多様性がないため環境の変化に対応できず、急な気候の変化などに耐え切れずに絶滅してしまう可能性が高いというデメリットもあります。
また、一年中発芽できても、夏など他の植物が生い茂る時期に発芽した個体は、背の高い植物に日光や養分を奪われて大きく育つことができません。
一方で二ホンタンポポは、繁殖力は弱いですが、他家受粉によって多様な個体が生まれるので、寒さや厚さ、病害虫などの影響で一気に絶滅してしまうリスクが少ないと言えます。
また、春に開花したら種を飛ばしてしまい、他の植物が生い茂る夏以降は地面の下で次の開花の季節を待つため、無用に個体数を減らすことなく済みます。
植物たちのそれぞれの戦略がすごいと感心です。

名称:タンポポ(蒲公英)
科:キク科タンポポ属
園芸分類:野草
形態:多年生
原産地(分布):多くはユーラシア大陸
品種名:
草丈/樹高:15cm
開花期:3~4月(主に)
花色:黄色
その他:その他 鼓草(つづみぐさ)、ダンデライオン)



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コメント 2

京男

こんにちは。
タンポポの若葉、韓国のチョレギソースで食べると美味しいですよ。
お店でタンポポの葉が売っている時があります。
by 京男 (2020-07-27 18:10) 

すー

★京男さん、こんにちは
葉も食べるのですか・・・すごいですね。
by すー (2020-07-27 19:29) 

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